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庄内南部地域 脳卒中地域連携パス集計表 第3号

平成26年3月

集計表をご希望の方は、地域医療連携室ほたる(TEL:0235-29-3021)までご連絡ください。

あとがき

 鶴岡地区の、脳卒中に携わる多くの職種の方々の情熱と努力、英知と汗の結晶である、「庄内南部地区、脳卒中地域連携パス集計集、第3 号」が発刊されました。鶴岡へ来て未だ1 年しか経たないこの私に、この重い集計集の「あとがき」を書くよう指名されることになるとは、いささか冷や汗ものであります。急性期医療一筋、必死に脳神経外科医療を行ってきた私は、手術の世界からきっぱり足を洗い、この1 年、回復期医療に向き直して身を献げ、急性期脳卒中に罹患した患者さんの、その後の経過を診せて頂きました。見慣れた急性期のデータはさておき、実はこれまではそれほど大きく関心を持って見てこなかった、回復期の経過に目が惹かれている自分に気付き、少し患者さんを診る視野が広がったのかも知れないなと思いながら感慨深く見せて頂きました。

さて、本地区のパスの特徴は、1)当初からIT 化され、全データが集積されており、2)この地域で発生する脳卒中を荘内病院に集中させることにより、殆どの症例が網羅(悉皆(しっかい)化)されており、3)さらには、急性期病院から回復期病院、回復期病院から維持期となる診療所と患者さんの治療の流れに沿ったデータの連携,蓄積が図られていることでしょう。そして、その後のフォローアップの仕組みも用意されており、脳卒中に関しての重要な予後因子である再発に関しての監視の目も備わっています。改めて、この地域連携パスの、作成、運用に携わってきた様々な職種の方々に、敬意を表します。

この膨大なデータは、3 号の中にも掲載されているように、再発に関する分析、回復期の症状経過の分析、社会生活に欠かせない車の運転再開に関する応用などに利用されております。ただ、それぞれは未だ道半ばの分析であり、今後、これらの分析、応用を更に掘り下げて行くことが重要です。一方、今後このデータが整理,集積されてゆくことを考えますと、将来、治療の因子をどう組み込むかも議論に載せたいところです。また、同じ脳卒中と言っても、脳出血、クモ膜下出血と脳梗塞、さらには心原性脳塞栓症は、それぞれ病態、危険因子や予後因子に異なったものがあります。このデータを再発予防や予後、病態解明に繋げようとするなら、脳卒中全体をひとつの疾患として捉えるだけではなく、それぞれの疾患毎にサブクラス化した解析もいずれ必要となるでしょう。

何はともあれ、今のこのデータを更に解析し、このパスシステムのバージョンアップに向け思いを巡らせることも、楽しみなことです。
鶴岡市立湯田川温泉リハビリテーション病院
武田 憲夫